Windows2000 Professionalで外部公開サーバーについて

【 WAGOの独り言 】

ここを読んでいる人は、多少なりとも「Windows2000 Professional(以下:Win2kP)でServerを立ててみようかな? でも、ライセンス的にどうなんだろう?」と、ちょっと興味があり覗いている事と思います。
日本Apacheユーザー会の皆々様には、いつも感謝しておりました。
きっと「MSKKとのミーティングについて」を見てから、こちらを見ていると思いますが、何かあの「ミーティング」って我々が疑問に思っていることを、代弁して「日本Apacheユーザー会」が聞いてくれていると思ったら、そうでもなかったんですね。(笑)
日本Apacheユーザー会が質問をしてMSKKから答えが返り、矛盾点や疑問点があれば「更に質問を行う」と言うのではなく「はい、わかりました。」と納得してしまっている日本Apacheユーザー会には、ちょっとガッカリ致しました。
まぁ、MSKKに聞いている内容の方向性は分りますけどね。
そもそもMSKKの回答「Apacheは[インターネットの情報サービス]であるため、EULAにおける[インターネット情報サービス]に関する規定が適用される。」、「ApacheはEULAの[サーバーソフトウェア]に該当するため、[サーバーソフトウェアとしては使用できない]旨の記述があるOS(Win2kP等)では使用できない」という事です。
それはMS製品(IIS等)に限定しての話であれば納得もいきますが、「一般のアプリケーション(著作にMSが関わらない)」にも同じような事を言えるのでしょうか?って、私は疑問に思うのです。
また、EULAをMSKKが翻訳した時に、IIS(インターネット・インフォメーション・サービス)を安易に直訳し[インターネットの情報サービス]としているようです。
この事を無理にApacheに当てはめ、「使用できない」と回答をしています。
MSが関わらない、第三者が作成したアプリケーションソフトにMSのライセンスを適用するのか?」と言う事です。
もしそんな事が認められてしまうのであれば、こんな怖いOSは今後クライアントPCでも使えません。(笑)
なぜなら、「一般アプリケーションソフト使用同意書の枠を越えて、OSのライセンスを適用しようとしている。」のですから。
そのうち、IE以外のブラウザ、OE以外のメーラー、果てはMicrosoftで発売している製品以外はインストールして起動してはライセンス違反になります…って、事の始まりにもなり得る訳ですよね?
まぁ、これはかなり拡大解釈ではありますが。(笑)
で、ここでもちょっと気になる点があるわけです。
「Win2kP等では使用できない」の「できない = 使用しては"いけない"」と言う事なのか?と。
「できない = して欲しくない」と言う意味なんではないか?と。
役職がお偉いさんになればなるほど、「言い回し」が、どちらとも取れる曖昧なものになってくるものです。
「自分が言った責任」と言うのを、いかに後から責められた時に回避できるかが重要なポイントになってきますから。(笑)
「できない」と言っても「インストールは可能だし、作動させる事も可能」・・・という事は、WindowsでApacheを使っている方でしたら誰でも解るはずです。
出来ないわけが無い・・・と言う事です。
この事により、裁判などになった場合「できない」という言葉を「して欲しくない」や「するのは好ましくない」と置き換えることは後からでも可能と思いますが、「使用してはいけない」と「断定」してしまうと後から変更が効かなくなってしまいます。
そのため「使用してはいけない」又は「禁止」と回答しなかったのではないでしょうか?
しかし、ここで問題になっているのは「Windowsライセンス」の事であり、インストール・作動の事ではないですね。
では、ライセンス的に「一般のアプリケーション(著作にMSが関わらない)」にまでOSライセンスを適用させる事が出来るのか?と言うことが問題になってきます。
一般の多くの方が受け止めている言葉通り、MSKKの回答が「Win2kPのOSを利用し、ApacheをWWW Serverとして使用は禁止」と言う事であれば「独占禁止法 第3条[私的独占をしてはならない]」と言うことに触れている解答ですね。
独占禁止法 第3条[私的独占をしてはならない]とは、
事業者が、単独に、又は他の事業者と結合し、若しくは通謀し、その他いかなる方法をもってするかを問わず、他の事業者の事業活動を排除し、又は支配することにより、公共の利益に反して、一定の取引分野における競争を実質的に制限することをいう。
と言う事です。
どうでしょう?
触れるのではないでしょうか?
簡単に当てはめると、
Microsoftが単独に、他事業者のServer ApplicationであるApacheをWindows上から排除し、公共の利益に反して、一定のServer Application分野における競争を実質的に制限することをいう。
※ここで言う公共の利益とは、発信されている「情報」の事を言います。
MicrosoftがWindowsライセンスを主張し、第三者が作成した「Apache」と言うアプリケーションソフトをWindowsOS上から排除し、利用者が自由に選べるはずのサーバーソフトウェアの使用を制限させる…と言う事になると思います。
また、このことによりサーバーアプリケーション分野での競争へ制限をしていると言う事にもなります。
そして、現在Win2kP OSを使用し、Apache等でWWW Serverを立ち上げ、多くの有益な情報をも、この制限により排除する事になります。

Windowsでは「Server系OS」・「Client系OS」と別れている事から、Windwos製品の中で「Win2kP(ClientOS)で、IISをインストールし外部一般公開用Serverとして利用してはいけない。」という事であれば話も通るのですが、なぜこの事を日本Apacheユーザー会の方は、MSKKに質問しなかったのでしょう?
独占禁止法 「第3条」まで出てこなくても「独占禁止法に触れるのでは?」と、誰でも思いつきそうな物ですが…。
少なくともIISを利用しWWW Serverを立ち上げ、サイトを外部一般公開される場合にはWindowsライセンスに従い「最大接続10コネクション」とし、その他のServerアプリケーションを使用しWWW Serverを立ち上げ、サイトを外部一般公開される場合には、その他のアプリケーション「最大接続コネクション」を利用するのは当然ですが、「Win2kPでApacheを使用してはいけない」、「ApacheでもWin2kPを使っていれば、最大接続数は10コネクションまで」等と言うのは、間違った解釈と考えられます。
一部の一般WindowsOS利用者が「米国」と「日本」に同じ質問を投げかけ違う答えが帰ってきて、どちらの国も「自分の言っている事が正しい」と主張していると、どこかのサイトで見掛けたことがあります。
MSKKの担当者が変わると回答も変わり、このことからMSKKの社員自体がライセンスについて理解していない事が解ります。
このような状態で本当にMSKKから明確な回答が得られるのでしょうか?
ここからは私の勝手な憶測ですが、Server Applicationのシェアでは、Windows系Serverに比べると圧倒的にApache(Unix)が利用されています。
安定性・高性能・高速作動・拡張性・FreeApplicationという事からなので、当たり前といえば当たり前なのですが。
不景気の日本でServerシェアと高価なOSを販売させるため、MSKKでは独自に「EULAの歪めた解釈」によってApacheをWindows上から排除しようとしているように考えられます。
少なくともMicrosoftが言っている事が、まかり通ってしまえばOSを替えるしかない方も存在すると思います。
だからと言ってWindowsOSに替えるかといえばLinux等のOSに替えてしまえば、どうと言う事も無いのですが、私も含めてGUIに慣れている人にCUIにての操作や設定は困難が予想されます。
その事につけ込んだMicrosoftの姑息な拡販方法なのかな?とも、疑いたくなってしまいます。
勝手な憶測はここまで。(笑)
Windows2000 Professionalの使用許諾契約書「eula.txt」には、このような一節があります。
※1
本ソフトウェア製品が Microsoft Windows 2000 の場合、本ソフトウェア製品を本コンピュータ上でインタラクティブ ワークステーション ソフトウェアとして使用できますが、サーバーソフトウェアとしては使用できません。
※2
ただし、ファイルとプリンタの共有サービスやインターネットの情報サービスなどの本ソフトウェア製品のサービスにアクセスしまたはそれらを利用するため、最大 10 台のデバイスから同時に本コンピュータに接続することができます。
接続数をプールまたは一体化するソフトウェアまたはハードウェアを利用する場合であっても、間接的な接続数が上記の 10 台という制限を越えてはならないものとします。
どこのサイトを拝見しても「Windows2000 Professionalの使用許諾契約書」の一節は掲載されているのですが、比較対照となる「Windows2000 Server(以下:Win2kS)の使用許諾契約書」がありませんでしたので掲載してみました。
Windows2000 Serverの使用許諾契約書「eula.txt」には、このような一節があります。
本製品には、以下のソフトウェアが含まれている場合があります。
サーバー上でサービスまたは機能を提供する「サーバー ソフトウェア」(以下「本サーバー ソフトウェア」といいます。
また、本サーバー ソフトウェアを実行できるコンピュータを以下「本サーバー」といいます)。
本サーバー ソフトウェアのサービスまたは機能を呼び出しまたはそれらを利用することのできる電子デバイス (以下「デバイス」といいます) 用の「クライアント ソフトウェア」(以下「本クライアントソフトウェア」といいます)。

まず、Server製品であるWin2kSの言葉を整理してみます。
「ソフトウェアが含まれている」・・・は、IIS、FTP、DNS、Media Service等の事を指し、
「サーバー」・・・は、Win2kS OS ソフトウェアの事を指し、
「サービスまたは機能を提供 = サーバーソフトウェア」・・・は、付属IIS等によるサービス提供等の事を指し、
「本サーバーソフトウェア」・・・は、インストールされたサーバーソフトウェアを指し、
「本サーバー」・・・は、Win2kS OS ソフトウェアがインストールされたPCの事を指しています。
これらの事を総称し「本製品」と呼んでいます。
次にWin2kPの言葉を整理してみます。
「本ソフトウェア製品」・・・は、Win2kP OS ソフトウェアの事を指しています。
Win2kS、Win2kPのEULAを掲載し、両方の言葉を整理したのは、Win2kPだけの内容では「具体的にどのことを示しているのか」解りづらいので明確にする為です。
両方の言葉を合わせると、Win2kPのEULA※1で「本ソフトウェア製品をサーバーソフトウェアとしては使用できません。」と記載されている所は、「Win2kPを付属のIIS等によるサービス提供として使用できません。」となります。
これは当たり前の事で、Win2kPはクライアントOSソフトウェアであり、サーバーOSソフトウェアではありません。
その為、Win2kPに付属のIISには接続数に制限が儲けてあり、不特定多数が閲覧する外部一般公開用のサーバーソフトウェアとしては弊害が生じ使用できない(多くのアクセスがある場合、まともに運用できない)という事です。
間違って捉えられている方もいるようですが、決して「IISをインストールし作動させ、公開してはならない」と言う事ではありません。
Microsoftが言う「本製品であるサーバーソフトウェア」ではないApacheには、このライセンスは関係無く、Apacheをサーバーソフトウェアとして使用する場合このライセンスには該当しない事が解ります。

それなのにMSKKは、「Win2kPではApacheは使用できない。」とライセンスを主張し回答をしています。
おかしいと思いませんか?
※2では、「インターネットの情報サービス」を利用するため、「最大で10台のデバイスから同時に接続することができる」とあります。
MSKKでは「インターネットの情報サービス」の事をサーバーソフトウェアと捉えていますし、Apacheの事もサーバーソフトウェアである「インターネットの情報サービスだ」としています。
そのため、ApacheはWin2kPでは「使用できない」としています。
それであれば、IISも「使用できない」はずです。
MSKKはApacheに対して「Apacheは本製品のサーバーソフトウェアだ、その為、Win2kPでは使用できない。」と言っているように取れます。
「Microsoftの本製品」とは関係の無い第三者が作成したApacheに対して、このライセンスを適用しようとするMSKK自体に無理があり間違いだと思われます。

本来「インターネット・インフォメーション・サービス(IIS)」の事を適当に翻訳したものだから「インターネット情報サービス」となり、MSKKは、この言葉尻を利用し都合の良いように回答しているように思えます。
細かく見て行くと解ると思いますが、Windows上からWindows製品以外のサーバーソフトウェアであるApacheを排除する目的の為に、MSKKは「"その場で考えた"回答」をしている事によって、つじつまが合わなくなり色々な矛盾が生じ、利用者が混乱する原因を作っています。
また上記の件「10台」と言うのは、「WindowsOSへログオンするための認証を必要とする接続」とする場合・・・となれば、それこそApacheには関係ない話となります。
Apacheにも認証を儲ける事は可能ですが、Windowsソフトウェアを利用した認証ではありませんので。
※Windowsソフトウェアを使用し認証が必要な接続の場合はCALが必要になりますが、ApacheでWWWサーバーとして稼動させる場合には必要がありませんし、BASIC認証などではWindowsソフトウェアを利用しないので、そもそも関係ありません。
また、余談ですがWindowsソフトウェアを利用した認証の接続を行なった場合であっても、同時接続2つまではCALが必要ありません。
この事は、Win2kSのEULAに記載されています。
以上の事から、ApacheがMicrosoftの「本製品」では無い事が明らかなので、使用には問題があるとは考えられません。

当サイトTOPページで「Windows2000 Server推奨」としているのは、ハッキリした結論は「裁判にならないと出ない」と言う理由からです。
Win2kPを利用し、ApacheでWWWサーバーを構築されても問題があるとは考えられません。
結論は裁判に委ねられ、現時点では「グレーゾーン」と言った所でしょうか?
それと必ずと言っていいほど「Win2kPでのサーバー公開はライセンス違反では?」と、どこかのサイトで見た事を、さも「自分は知っているんだぞ!」と、薄っぺらな人から得た不確実な情報をひけらかし、掲示板などに書き込んでいる輩もいます。
もちろん、真剣に悩んで相談?してくる人も居ると思いますが、多くは「単なる愉快犯」や「自分も同様に人から聞かれ、ただ自分の問題を解決する為に第三者に同じ質問を投げかけ自分の答えを得る」だけで、自分の意見や考えを述べません。
そう言う場合は質問をしてきた人間が、「どこまで何を調べ理解しているか」を聞いてみると良いかも知れません。
ほとんどの場合は、「他のサイトでライセンス違反と掲載されていた。」と言う回答が帰ってくることでしょう。
しかし、当のMicrosoftのサイトでは「Windows2000 ProfessionalでApacheを利用する事はライセンス違反になるので禁止です。」とは、どこにも掲載されていません。
確実な情報は、公式サイト以外から得られるとは考えられません。(このページを含めて)
意見交換は大事な事だとは思いますが、結論を求めて掲示板などで「やいのやいの」意見をぶつけ合っても答えは出てこないものです。
人それぞれの考え、思う事は違うはずですから。
ただ、現時点でハッキリ分っている事は「Windows Server系OS」であれば、このような「グレーゾーン」と思われる問題には触れることはないので推奨しているだけです。
このページを見てWin2kPやWin2kSを選択されるのは構いませんが、TOPにも記載してありますが、あくまでも「作業を行う方の自己責任で」ということをお忘れなく。
最後に、日本Apacheユーザー会の方では「公式な見解であると考えて良いと思われます。」と掲載していますが、これにも無理があると思われます。
なぜなら、公式な見解であると言うのに「当のMicrosoft」では、今回の件に触れて公式サイトで掲載していないからです。
公式な見解で決まった事であれば、片方のアナウンスだけではなくMicrosoftからもアナウンスがあるはずですよね?
今回このようなページを作成したのは、この件で検索をしても「まとまっている情報が少ない」と言うことから作成いたしました。
以上、WAGOの独り言でした。

- 追記 -
Microsoftサイトの片隅に、Windows2000 Professional、WindowsXP Professional OSでApach使用についての事が掲載されているのを発見。

結果から言うと、Wondows2000 Professionalでの利用は出来るが「10接続までのアクセス制限のもとで Web サーバーとして使用することができます。」との事。

「MSKKと日本Apacheユーザー会のミーティング」で、

「ApacheはEULAのサーバーソフトウェアに該当するため、"サーバーソフトウェアとしては使用できない旨の記述があるOS(Windows 2000 Professional等)では使用できない"、但しOS(Windows XP Professional等)では「サーバーソフトウェアとしては使用できない旨の記述のない為、Apacheの使用は問題ない」が、最大接続数の制限によって端末10台以内からの利用に限られる。

・・・と、その時MSKKは主張していましたが、「10接続までのアクセス制限のもとで Web サーバーとして使用することができます。」と変わっています。
「部署や人が変われば、答えのライセンス内容が変わる」と言うMSKKの典型的な例ではないでしょうか。

遂にMSKKは「第三者が作成したアプリケーションにまで、Microsoftのライセンスを適用する行為」を行ったと考えます。

ここからは余談ですが、会社の中には「会社の言う事が聞けないのか!」と言う言葉を利用し、「自分の言っている事」をさせようとする人物がいます。
「会社=自分」と言う図式が頭の中で出来ているのでしょう。

「社長=会社」から直接言われるのであれば確かに「会社の言っている事」であり、間違いや伝達内容が変わると言う事は無いでしょう。

しかし、一般の会社では部署などに分かれ、その部署ごとに「長」がいます。
その「長からの伝達」が部下へ正しく行なわれないと、「内容が変わって」しまいます。
同じように、部下も「受け取り方を誤まると内容が変わって」しまいます。

米国MSと言う社長?から、MSKKと言う部下?へ情報伝達は正しく行なわれているのでしょうか。
また、MSKKと言う部下?は、正しく受け取っているのでしょうか。
大きな企業ほど上と下では、伝達内容が「人」によって、大きく変わってしまっているのではないでしょうか。

今回の事で、そんな事を思ってみたり。